医療現場で即戦力となるために、地域と学校がダブルサポート。
リアルな実践を通して、知識・視点・心の豊かな看護師を育成します。

かすこまが目指すのは、「地域に貢献できる看護師の育成」

校長「公立春日井小牧看護専門学校(通称かすこま)は、平成元年に春日井市と小牧市が共同で設立した看護専門学校です。地域とのつながりはとても深く、本校の卒業生の中には、両市民病院の副看護局長、看護師長になっている人もいます。」

副校長「本校の教育理念は、人間愛を基盤としています。人間愛というのは人を尊重すること...つまり相手の気持ちに寄り添う、思いやりをもって人と関わることではないかと考えています。」

校長「『人の思いに寄り添う』と口で言うのは簡単ですが、実践することはなかなか難しいことです。本校に在籍している3年間に多くの人と触れ合う中で、身につけていってほしいと考えています。」

副校長「かすこまでの様々な体験を通して、卒業する頃には地域社会に求められている人材に近づいてくれるといいですね。」

校長 谷口

実習先は春日井市と小牧市の市民病院。強力な連携で卒業後までバックアップ。

校長「本校の強みは学習環境、なかでも実習環境が整っていることだと思います。看護専門学校では、授業の1/3は病院や施設での実習です。そのため実習施設の環境はとても重要なんです。」

副校長「かすこまの主な実習先は、春日井市民病院と小牧市民病院です。両病院には卒業生が多数就職していますので、指導者の立場で後輩の育成に携わってくれることも多く、とても心強いですね。また実習のときには、専属の指導者を配置してもらっています。専属の指導者は担当する患者さんをもたずに学生の指導だけにあたってくれるため、とても手厚い指導をしていただけます。さらには、本校の教員も原則として1病棟に1人配置していますので、実習における指導体制は充実していると思います。」

校長「私自身、小牧市民病院の院長を務めています。かすこまの生徒たちが実習で病院を訪れた時には、廊下などで学生へ声掛けをし、最も緊張するであろう最初の臨床実習の際には、可能な限り全病棟を巡回して話をするようにしています。生徒たちは病院で私を見かけると「あ!校長先生だー」と手を振ってくれますよ(笑)」

副校⻑ 小倉

現場の医療スタッフが講義を担当し、最新の医療・看護情報からリアルな学びを生み出す。

校長「学校では、1年生前期の医療概論の講義を担当しています。医療概論とは、医療を学ぶ入り口のようなものですね。本校の講義には両市民病院の医師や認定看護師、理学療法士、検査技師、管理栄養士など、現場で活躍している多くの医療職が講師をしてくれています。」

副校長「他の学校との違いは、両市民病院から現場の看護師が派遣され、本校の教員として教育に携わっていることです。認定看護師などが授業を担当するだけでなく、厚生労働省が認定した看護教員養成講習会という講習を1年間受講し修了した看護師が、本校に出向して教員として働いてくれているんです。」

校長「臨床経験の豊富な講師が派遣されてきますので、学生は刺激を受けて、目を輝かせて授業に参加していますよ。また現場で行われている最新の看護を教育に取り入れることができるメリットもありますね。」

副校長「派遣職員は3年~5年で交代します。本校で教育に携わってくれた方が、病院に戻ってからも教育担当の窓口になったり指導者になってくれたりと、教育の連携を強化する存在となってくれています。」

医療現場で活躍できる「実践者」の育成へ、教員全員の思いが一致した教育体制。

校長 谷口

校長「もちろん教育体制も充実しています。1学年40名という小さな学校ですので、学生との距離も近く『全教員で学生を育てる』という思いで接しています。」

副校長「相談しやすい環境づくりのために、生徒に近い存在でいられるように心がけています。全教員で情報共有をして、朝起きるのが苦手な遠方の学生には『起きられる?目覚ましは何時?』とフォローすることも(笑)」

副校長「ほとんどの教員が、与えるのではなくやってみる・考えてみるという『アクティブラーニング』を取り入れて、学生の主体性を引き出す授業を展開しています。グループ学習も多いので、学生同士が互いに高め合って自ら学ぶ力を養えるように工夫をしています。」

校長「校内の学習環境では、実習室のベッド数は厚生労働省のガイドラインに定められた2倍の20台以上を整備しています。校内実習では2人1組になり、1人が患者役、1人が看護師役で実技ができますので、時間も効果的に使えると思います。最新のシミュレーターも随時購入し、校内で体験学習ができるよう環境を整えています。」

副校長「これだけの教育体制を整えているにも関わらず、本校は授業料の安さも魅力です。看護師になりたいという強い思いがあっても、経済的に厳しく進学を諦める学生もいます。また社会人になってから看護師の道を志したいと思った時でも、本校ならば道が開けるのではないでしょうか。」

柔軟な対応力で、不測の状況にも臨機応変に対応。

副校⻑ 小倉

校長「新型コロナウイルス感染症が流行し始めた当初は、医療現場では未知のウイルスに対する不安が強かったと思います。しかし、医療の専門職として経験を積むにつれて、次第に落ち着きを取り戻し、冷静に対応できるようになってきています。」

副校長「学校では、新型コロナウイルス感染症の流行に合わせて完全オンライン授業を取り入れました。それでもやはり看護においては人と人の関わりが大切であり、実践力を育成するには対面授業は欠かせません。状況を見ながら学年ごとに登校日をずらしたり、午前と午後で分けたりといった対策をしましたね。現在もオンライン授業と対面授業を併用で行いながら感染防止対策に努めつつ、教育体制の充実を図っています。」

校長「この先どんな状況になっても、学びの手を止めることがないように、学校全体でサポートしていきたいと思っています。」

未来へつなぐ医療のために、チーム医療に看護師の存在は必須。

校長 谷口、副校⻑ 小倉

校長「医療は目まぐるしく進歩し、複雑化しています。そのなかで看護師として活躍していくためには、卒業時の知識だけでは通用しません。自らの知識や技術を日々更新していくことに加えて、チーム医療の中で機能できるスキルを身につけていく必要があります。常に向上心を持って、主体的に学習する看護師になってくれることを期待しています。」

副校長「最初の数年は新しい環境に慣れるのが大変だと思います。両市民病院には、本校から毎年一定数の卒業生が入職しているため、看護師長から新人まで幅広い世代に卒業生が在職しています。同期生が複数いることや先輩が指導者になることもあるなど、周りからのサポートが厚いことは、社会人としてのスタートを切る際にきっと助けになってくれるはずです。」

校長「看護師は患者さんに最も近い存在であることから、患者さんの状態や思いを医療チームに適切に伝えることができます。良質な医療を提供するためには、多くの医療職が協働することが大切です。患者さんに寄り添う心、他者を思いやる気持ち、良好なコミュニケーションを日頃から心掛けて、チームの一員として活躍できる看護師を目指してください。『看護師になりたい』、『地域に貢献したい』という想いをお持ちであれば、ぜひ本校の門をたたいてください。」

(対談日 令和2年10月)